
こんにちは。ステップリフォームの現場担当 土橋 昭です。
「部屋の窓をなくしたいけど、そんなことできるの?」「窓を塞ぐリフォームって費用はどれくらいかかるんだろう」「建築基準法とか違法にならないか心配」・・・そんな風に悩んでいませんか。
防犯やプライバシー、断熱の悩みから、窓をなくす・壁にするリフォームを検討する方は意外と多いんです。
ただ、窓を塞ぐ工法や費用相場、浴室やマンションでの可否、補助金の使えるケースなど、知っておきたいポイントはたくさんあります。
この記事では、窓をなくすリフォームを検討中のあなたが不安なく次の一歩を踏み出せるよう、私がこれまでの現場経験も交えながら、丁寧に解説していきます。
- 窓をなくすリフォームの主な工法とそれぞれの特徴
- 建築基準法など知っておくべき法規制のポイント
- 気になる費用相場と補助金・減税制度の活用可否
- 浴室やマンションなど条件別の注意点と成功のコツ
窓をなくすリフォームの基礎知識と工法
まずは、窓をなくすリフォームを考えるうえで押さえておきたい基本的な知識からお話ししていきます。目的の整理から工法の種類、法規制、性能面の影響まで、順番に見ていきましょう。
目的とメリットの整理
窓をなくすリフォームを検討する理由って、実はお客様によってかなり違うんです。
多いのは防犯対策とプライバシーの確保です。道路や隣家からの視線が気になる、夜間の防犯面が不安、といったお悩みですね。
それから断熱性を上げたいという理由も本当に多いです。
古いアルミサッシの窓は熱が出入りしやすいため、窓をなくして断熱材入りの壁にすれば、冬の窓際の冷えや夏の暑さがやわらぐことがあります。
他にも、間取り変更にあわせて不要になった窓を処理したい、浴室やトイレの掃除・メンテナンスの手間を減らしたい、といった実用的な理由もありますね。
私の経験上、こうした目的をはっきりさせておくことが、後悔しないリフォームの第一歩だと感じています。
「なんとなく窓が邪魔だから」ではなく、何を解決したいのかを整理してから工法を選ぶのがおすすめです。

防犯・プライバシー目的で考えられる工法
実際の現場でよくあるのが、「1階の道路側にある窓から中が見えて落ち着かない」「隣家との距離が近く、生活音や視線が気になる」というお悩みです。
こうしたケースでは、窓を完全になくすまではいかなくても、小窓化や外付けルーバー、目隠しフィルムといった代替案で十分満足いただけることも多いです。
逆に、空き巣被害への不安が強い場合は、思い切って窓自体をなくしてしまう方が、防犯性という意味では確実性が高いです。
どこまで踏み込むかは、不安の度合いと使い勝手のバランスで決めていくのがいいかなと思います。
断熱・省エネ目的で考えられる工法
「冬になると窓際が異常に寒い」「窓ガラスがびっしょり結露する」というお悩みも、窓をなくすリフォームのきっかけとしてよくあります。
古い単板ガラスのアルミサッシは、壁に比べると熱の出入りが圧倒的に大きい部分ですから、使っていない窓や北向きの窓であれば、なくしてしまうことで体感温度がかなり変わることもあります。
ただ、断熱だけが目的なら、窓をなくす以外にも内窓の設置や高断熱サッシへの交換という選択肢もありますので、あわせて比較検討してみるのがおすすめです。
間取り変更やメンテナンス性向上の目的
収納スペースや納戸として使う部屋に変更する場合、居室として使わないのであれば、窓の必要性自体がぐっと下がります。
また、浴室やトイレのように水を使う場所では、窓があることでコーキングの劣化やパッキンのカビ、雨仕舞のメンテナンスが増えるというデメリットもあります。
こうした「使い方が変わったことで窓が不要になった」というケースは、法規面でも比較的整理しやすいことが多いです。
ポイント
窓をなくす目的は「防犯」「プライバシー」「断熱」「間取り変更」「メンテナンス性」に大きく分かれます。目的がはっきりすれば、選ぶべき工法や代替案も見えてきます。
窓を塞ぐ・壁化する工法の種類
窓をなくすといっても、実はやり方がいくつかあるんです。代表的なのは、サッシごと全部撤去して外壁も含めて完全に壁にしてしまう全面壁化。
これがいちばんしっかりした工法ですが、その分、外壁の防水や仕上げ合わせといった工程が増えます。
もう少し手軽なのが、既存の窓は外側に残したまま、室内側だけをボードなどで塞ぐ内側のみ塞ぐ工法です。
費用や工期を抑えたい方には選ばれやすいですが、外側の窓自体は残るので、断熱や防犯という意味では効果が限定的になる点は知っておいてほしいです。
そのほかにも、窓を小さくする小窓化、視線は遮りつつ採光は確保できるガラスブロック、窓は残したまま外側にルーバーやシャッターを付ける外付け設備など、目的に応じて選べる選択肢は結構あるんですよ。
「なくす」以外の選択肢も含めて比較すると、意外とちょうどいい落としどころが見つかることも多いです。
全面壁化(完全撤去)という選択
全面壁化は、サッシとガラスを撤去して、下地・断熱材・外壁材・内装材まで一通り新しく仕上げる工法です。
断熱性・防犯性・遮音性を大きく改善できる反面、外壁の色や質感を既存部分に合わせる必要があるため、外壁材によっては目地が目立ってしまうこともあります。
私も現場では、外壁塗装のタイミングにあわせて全面壁化を行い、目立たない仕上がりにするご提案をすることが多いですね。

内側のみ塞ぐ工法のメリットと限界
内側のみ塞ぐ工法は、費用と工期を抑えたい方には魅力的な選択肢です。
ただし、外側の窓ガラスやサッシはそのまま残るので、外観は変わりませんし、外部側のコーキングや金物のメンテナンスは引き続き必要になります。
「とりあえず室内側の見た目と使い勝手だけ変えたい」という場合には向いていますが、根本的な断熱改善や防犯性向上を狙うなら、全面壁化のほうが効果は高いです。
小窓化・換気窓化という中間案
「完全になくすのは不安だけど、今の大きさは持て余している」という方には、小窓化がちょうどいい落としどころになることが多いです。
開口部を小さくすることで、防犯性と断熱性を上げつつ、最低限の採光・換気は確保できます。ルーバー窓や内倒し窓など、換気に特化した小型サッシに変更するケースもよく見られますね。
ただし、新しいサッシ自体の購入費用が別途かかるため、既存の窓を撤去して壁にするだけの全面壁化に比べると、費用はむしろ高くなりやすい点は知っておいてください。
ガラスブロックや外付け設備という代替策
視線は遮りたいけれど明るさは残したい、という方にはガラスブロックがよく選ばれます。重量があるため施工できる会社が限られる点は注意が必要ですが、防犯性と採光を両立できるのが魅力です。
また、窓自体はそのまま残して、外側にルーバーや格子、シャッターを取り付けるという方法もあります。
これは「窓を消さずに不満を解消する」低コストな代替策として、まず試してみたいという方にもおすすめしやすい選択肢です。
工期と施工手順
費用と同じくらいよく聞かれるのが、「工事にどれくらい日数がかかるの?」という質問です。工法によって差が大きいので、目安として知っておいてもらえると計画が立てやすいと思います。
内側のみ塞ぐ工法であれば、養生からボード施工、仕上げまで含めても数日程度で完了することが多いです。
一方、全面壁化になると、サッシの撤去、下地組み、断熱材の充填、外壁の防水・仕上げ、内装の復旧、そして検査という工程を踏むため、1週間前後を目安とすることが多いですが、建物の状態や天候によって変動します。
全面壁化の工事の流れ
窓をなくすリフォームは、一般的に次の流れで進みます。
- 現地調査と施工方法の確認
窓周辺の構造や外壁材、配線、採光・換気などを確認します。 - 養生・足場の設置・近隣への配慮
室内や外壁周辺を保護し、必要に応じて足場を設置します。 - 既存のガラス・サッシの撤去
窓枠や周囲の外壁、内装材を必要な範囲まで取り外します。 - 開口部の下地組みと必要な補強
柱や間柱などで窓があった部分をふさぎ、外壁や内装を固定する下地をつくります。 - 外壁側の下地・防水・通気処理
防水層を既存部分と適切につなぎ、必要な通気層を確保したうえで外壁材を仕上げます。 - 断熱材の充填と室内側の気密・防湿処理
周囲に隙間ができないよう断熱材を入れ、気密層や防湿層を整えます。 - 室内側の内装仕上げ
石こうボードやクロスなどを使い、室内側を復旧します。 - 雨仕舞・断熱・気密・仕上がりの確認
防水処理や断熱材の状態、室内外の仕上がりを最終確認します。
特に外壁の防水処理は、後々の雨漏りを左右する重要な工程なので、私たちも時間をかけて丁寧に行うようにしています。
工期はあくまで目安で、建物の構造や天候、既存外壁材の状態によって前後することがある点も覚えておいてください。

内側のみ塞ぐ工法の流れ
内側のみ窓を塞ぐ工法は、一般的に次の流れで進みます。
- 室内の養生
床や家具、窓周辺をシートなどで保護します。 - 既存窓と窓周りの状態確認
サッシ周辺の漏水や結露、腐食、下地の傷みなどがないか確認します。 - 室内側の下地組み
既存窓の手前に木材や軽量鉄骨などで下地を組み、壁を造作するための骨組みをつくります。 - 断熱材の施工と気密・防湿処理
必要に応じて断熱材を入れ、室内の湿気が窓との間へ入り込みにくいよう気密・防湿処理を行います。 - ボード張りと内装仕上げ
石こうボードなどを張り、クロスや塗装で既存の室内壁になじむように仕上げます。 - 仕上がりと湿気対策の確認
壁面の仕上がりや隙間の有無、既存窓周辺に漏水などの問題がないことを最終確認します。
外側のサッシやガラスには手を加えないため、全面壁化に比べて工程が少なく、工期も短くなりやすいです。
工期が延びる主な条件
2階以上の窓で足場が必要な場合、石綿の事前調査が必要な場合、外壁材の色・質感合わせに追加の補修が必要な場合などは、目安より工期が延びやすくなります。
窓を完全に壁にする前に確認したい将来計画
全面壁化は、下地から外壁・内装まで作り直してしまうため、あとから「やっぱり窓が欲しくなった」となっても、簡単に元に戻せるわけではありません。
再び窓を設けるとなると、壁を壊して新しく開口部を作る、いわば新設工事になりますので、費用も工期も、そして法規上の確認も改めて必要になります(出典:LIXILリフォームショップ)。
ですので、全面壁化を選ぶ際は、今の悩みを解消できるかだけでなく、将来的な売却や家族構成の変化、部屋の使い方が変わる可能性まで、少し先を見据えて決めていただくのがおすすめです。
「今は納戸として使うから窓は要らないけれど、将来、子ども部屋にするかも」といったケースでは、全面壁化ではなく内側のみ塞ぐ工法や小窓化など、戻しやすい選択肢を検討するのも一つの手ですよ。

違法になるケース
ここはとても大事なところなので、しっかりお伝えしますね。
窓をなくすリフォームは、条件によっては建築基準法に抵触してしまう可能性があるんです。特に注意したいのが、その部屋を「居室」として使い続けるかどうか。
居室として使う場合は、採光や換気のための開口部が一定以上必要というルールがあります。
また、防火地域や準防火地域にお住まいの場合や、マンションなどの共同住宅、店舗併用住宅では、追加の防火・避難規制が関わってくることもあります。
木造戸建てのリフォームでは、壁の改修範囲によっては建築確認手続きが必要になるケースも増えてきていますので、「窓を塞ぐだけの軽い工事」のつもりが、実は法規上の手続きが必要だった、ということもあり得ます。
居室の採光・換気基準について
建築基準法では、住宅の居室について、採光に有効な開口部の面積が床面積の7分の1以上、換気に有効な開口部の面積が床面積の20分の1以上必要と定められています。
これは条文としても明確に規定されている基準で、私たち施工側も設計の際に必ず確認するポイントです(出典:e-Gov法令検索「建築基準法」第28条)。
ただし、2023年4月から、一定の照度を確保する照明設備などの条件を満たせば、採光に有効な開口部の面積を10分の1まで緩和できる規定が設けられています(出典:国土交通省「住宅の採光規定の見直し」)。
窓をなくすことで換気面積を満たせなくなる場合は、基準に適合する機械換気設備の設置で対応します。
採光面積を満たせなくなる場合は、トップライトの新設や、先ほどの照明設備による緩和規定の活用などで対応します。
防火地域・準防火地域での注意点
防火地域や準防火地域では、外壁の開口部のうち延焼のおそれがある部分に防火設備が求められることがあります。
窓をなくすこと自体は開口部を減らす方向なのでプラスに働くケースもありますが、逆に、なくした部分の外壁の仕上げや下地が防火性能を満たしているかどうかは、別途確認が必要になります。
地域や建物の構造によって扱いが変わってくるので、この部分は自己判断せず、必ず事前に確認しておきたいところですね。(出典:e-Gov法令検索「建築基準法」)
建築確認申請が必要になるケース
2025年4月以降、2階建て木造戸建住宅などで、壁・柱・床・梁・屋根・階段のうち一種以上について、その過半を改修する大規模修繕・模様替えを行う場合は、原則として建築確認が必要になりました(出典:国土交通省「改正建築基準法・改正建築物省エネ法について」)。
窓1か所の壁化だけで直ちに該当するとは限りませんが、外壁の張り替えや複数か所の壁改修とあわせて行う場合は要注意です。
「確認申請が必要かどうか」の判断は、建物の構造や改修範囲によって変わってくるため、私たちのような施工会社や、場合によっては特定行政庁への確認が欠かせません。
石綿の事前調査と電子報告の条件
建物の改修では、工事対象となる建材について工事規模にかかわらず石綿含有の事前調査が原則必要です。
請負金額が税込100万円以上の建築物改修工事は、調査結果の電子報告もあわせて必要になります(出典:厚生労働省・石綿総合情報ポータル「建築物の改修工事を行う事業者の方へ」)。
建築確認申請の要否はこれとは別に判断します。
注意
窓をなくす工事は、部屋の用途や地域の規制によって必要な手続きが変わってきます。
自己判断で進めず、必ず建築士やリフォーム会社など専門家に事前確認をしてくださいね。最終的な判断は専門家にご相談ください。
採光・換気だけではない無窓居室の確認事項
「採光は床面積の7分の1、換気は20分の1を確保すればOK」と単純に理解されている方も多いのですが、前節の採光・換気基準に加え、無窓居室では排煙・避難・非常用照明などの確認も必要です(出典:国土交通省「建築基準法改正関連資料」、国土交通省「無窓居室規制の見直しについて」)。
さらに、建物の用途や規模によっては、排煙上の無窓居室、避難上の無窓居室、非常用の照明装置の設置義務など、採光・換気以外の規定が関わってくることもあります。
これらの追加規制は建物用途や部屋の位置、規模によって適用が異なり、一般的な住宅居室が窓を塞ぐだけで自動的にすべての規制対象になるわけではありません。
窓をなくすことで内装制限や主要構造部の規定に影響が出るケースもゼロではありませんので、「7分の1と20分の1さえ満たせば大丈夫」と自己判断せず、建物全体としてどの規制が関わってくるのか、設計士や施工会社に確認してもらうのが確実です。
採光や換気を確保する代替案
「窓をなくしたいけど、部屋が真っ暗になったり空気がこもったりしないか心配」という声もよく聞きます。
ここは工夫のしどころですね。窓をなくした後の採光・換気は、機械換気設備、トップライトや高窓、ガラスブロック、照明計画などで補います。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
換気の代替案:機械換気の活用
2003年7月以降に着工した住宅の居室では、機械換気設備によって窓に頼らない換気計画を組み立てることができます。
24時間換気システムをきちんと機能させることで、窓を開けなくても室内の空気は入れ替わりますし、むしろ季節や天候に左右されず安定した換気ができるというメリットもあります。
窓をなくす計画とセットで、給気口の位置や換気扇の能力もしっかり見直しておくと安心ですね。
採光の代替案:トップライト・高窓・ガラスブロック・照明
屋根に設けるトップライトは、建築基準法施行令20条の採光補正係数の規定により、通常の採光補正係数を3倍して有効採光面積を計算できます(上限は3.0)。
限られたスペースでも効率よく明るさを確保できます。高い位置に設ける高窓も、視線を気にせず光を取り込める点で人気です。
「窓はなくしたいけど部屋の暗さだけは避けたい」という方には、これらの代替案を組み合わせるのがおすすめですよ。
それから、視線は遮りつつ光は通すガラスブロックや、照明計画を工夫して補うという方法もあります。
逆に「やっぱり窓は残したまま明るさを確保したい」という方には、壁に新しく窓を設けるという選択肢もあります。

暗い部屋を明るくする、壁に窓を作るリフォームの手順と費用についても解説していますので、窓をなくす以外の選択肢として参考にしてみてください。
断熱性や結露への影響を知る
窓をなくすと、断熱性能はどう変わるのか。これもよく聞かれる質問です。
結論から言うと、古い窓をなくして壁に置き換えれば、その部分の断熱性はアップしやすいですし、冷たいガラス面がなくなることで結露やカビのリスクも下がりやすい傾向にあります。
私も現場で「窓をなくしたら結露で悩まなくなった」というお声をいただくことは多いですね。
ただ気をつけたいのは、南向きなど日当たりの良い窓まで塞いでしまうと、冬場のあたたかい日差しを取り込むメリットまで失ってしまうこと。
それから、窓をなくした部分の下地や防水処理が甘いと、逆に壁の中で結露や雨漏りが起きてしまうリスクもあるんです。
断熱は「窓をなくせば必ず良くなる」という単純な話ではなく、方角や施工の丁寧さによって変わってくる、という点は覚えておいてほしいです。
断熱性能への影響を考える
政府広報オンラインによると、冬の暖房時に住宅から逃げる熱の約6割は、窓などの開口部から流出するとされています(出典:政府広報オンライン「省エネのポイントを部屋別にご紹介!」)。
古いアルミサッシの単板ガラス窓は、壁に比べて熱を通しやすいため、なくして断熱材入りの壁に置き換えることで、冬の底冷えや夏の暑さの体感はかなり変わりやすいです。
ただし、方位によって受けるメリットは違ってきますので、「とりあえず全部塞ぐ」ではなく、部屋ごとに窓の役割を見極めることが大切だと感じています。
結露・カビへの影響を考える
結露は、室内の暖かく湿った空気が、外気で冷やされた窓ガラスなどの冷たい面に触れることで発生します。
窓をなくして断熱性の高い壁に置き換えれば、この「冷たい面」自体がなくなるので、表面結露のリスクは下がりやすいです。
ただ、壁の中の防湿・防水処理が不十分だと、目に見えない壁内結露という別のトラブルにつながることもあるので、施工品質はとても重要なポイントになります。
施工品質が結果を左右するという事実
正直なところ、窓をなくすリフォームの成否は、断熱材の充填具合、防湿シートの連続性、外壁との取り合い部の防水処理といった「見えない部分」の丁寧さでほぼ決まると言っても過言ではありません。
安さだけで施工会社を選んでしまうと、数年後に思わぬトラブルが出てくることもあるので、実績や施工体制もあわせて確認しておくと安心ですよ。

遮音性はどこまで上がるか
「窓をなくせば静かになりますか?」というご質問もよくいただきます。結論としては、窓は壁に比べて音を通しやすい部分なので、なくすことで遮音性が上がる方向に働くのは間違いありません。
ただ、「どこまで静かになるか」は、外部からの騒音を防ぎたいのか、室内の音が外に漏れるのを防ぎたいのかによっても変わってきますし、施工の中身次第で結果はかなり変わります(出典:LIXILリフォームショップ、国土交通省「音と向き合うためのハンドブック」)。
具体的には、壁の下地の組み方、吸音材・遮音材の種類と厚み、そして何より隙間なく施工できているかどうかが効果を左右します。
せっかく壁にしても、下地に隙間が残っていたり、気密処理が甘かったりすると、期待したほどの防音効果が得られないこともあるので、防音を主目的にする場合は、その旨を施工会社にはっきり伝えて、仕様に反映してもらうことをおすすめします。
「どこまで静かになるか」を数値で把握したい場合は、使用する壁材の遮音性能や、サッシ・ドアセットの透過損失等級などを施工会社に確認してみてください。
同じ「壁にする」工事でも、仕様によって遮音性能は変わってきます。
耐震補強になるのか
検索していると、「窓をなくすと壁が増えて耐震性が上がる」という情報をよく見かけると思います。窓という開口部がなくなり壁が増えること自体は、方向性としては間違っていません。
ただ、これは「単に開口部を埋めた」ことと、「構造計算上、耐力壁として機能する壁を作った」こととは、実は別の話なんです(出典:国土交通省「耐震改修の方法」)。
耐力壁として耐震性向上の効果を得るには、筋かいや構造用面材の設置、柱・梁との接合部の補強、基礎との緊結、そして建物全体での壁の配置バランスまで含めて設計・計算する必要があります。
窓を塞いだだけで自動的に「耐震補強済み」になるわけではないので、耐震性の向上も目的にする場合は、その旨を伝えたうえで、構造的な検討もあわせて行ってもらうようにしてくださいね。
費用相場の目安
費用については、工法によってかなり幅があります。あくまで一般的な目安としてご紹介しますね。
窓を塞ぐ・変更する工事
| 工法 | 費用の目安 |
|---|---|
| 内側のみ塞ぐ | 約5万円〜15万円 |
| 全面壁化 | 約8万円〜30万円 |
| 小窓化 | 約20万円〜50万円 |
| ガラスブロック | 約10万円〜30万円(窓のサイズにより変動) |
窓を残す・採光を補う代替工事
| 工事 | 費用の目安 |
|---|---|
| トップライト設置 | 約40万円〜50万円以上 |
| 外付けルーバー | 約5万円〜12万円 |
| シャッター設置 | 約17万円〜48万円 |
見積もりで確認したい追加費用
2階以上の窓の場合は足場代が別途かかることが多いです。石綿の事前調査費用や、外壁材の色・質感合わせによる補修範囲の広がりも確認しておきたいポイントです。
複数社から見積もりを取る際は、これらが「別途」なのか「込み」なのかを確認すると、後から金額が変わるトラブルを防げます。
安さだけで選ばず、内訳の透明性や施工実績もあわせて比較検討してみてくださいね。数値はあくまで一般的な目安ですので、正確な金額は現地調査のうえでのお見積りをご確認ください。
窓をなくすリフォームのシーン別注意点と失敗しないコツ
ここからは、浴室やマンションなど具体的なシーン別の注意点と、補助金の活用可否、そして失敗しないためのコツについてお話ししていきます。
浴室の窓をなくす際の工夫点
浴室の窓をなくしたい、というご相談は本当に多いです。理由としては、外からの視線が気になる、掃除やパッキンのカビ取りが面倒、冬場の底冷えがつらい、といったところですね。
浴室では換気方法とユニットバスとの取り合いを確認しておくことが大切です。
ただし、ユニットバスにリフォームする際は、窓の位置とユニットバスの枠の位置関係によって、既存の窓がそのまま使えないケースもあります。
換気扇・浴室乾燥機での対策
浴室から窓をなくす場合、換気の担い手は換気扇や浴室乾燥暖房機になります。
24時間換気システムを常時運転したり、浴室乾燥機を導入したりすることで、湿気やカビの問題はしっかりカバーできます。
機種によっては、浴室窓を閉めてドアの給気口を開けた状態で運転する方が効率的に乾燥することもあるので、使用方法はお使いの機器の取扱説明書をご確認ください。
入浴後にしっかり換気扇を回し切ること、扉のアンダーカットや給気口をふさがないことが、カビ対策の基本です。
浴室乾燥機があれば、雨の日や冬場でも洗濯物を乾かせるので、窓がなくなることへの不満を補える機能としても人気がありますよ。

ユニットバスリフォームとの関係
在来工法の浴室からユニットバスに交換する場合、ユニットバスの枠と壁の間にはどうしても数センチの隙間が生まれるため、既存の窓の位置によっては、そのまま使うのが難しいケースがあります。
ユニットバスのリフォーム時に既存の窓はどうなるのかについても詳しく解説していますので、浴室リフォームとあわせて窓をどうするか考えている方は参考にしてみてくださいね。
マンションで窓をなくせるか
マンションにお住まいの方からのご相談で、必ずお伝えしているのがこの点です。
国土交通省のマンション標準管理規約では、マンションの外窓(窓枠やガラス)は共用部分とされ、区分所有者には専用使用権が認められています(出典:国土交通省「マンション標準管理規約」)。
つまり、区分所有者であるあなたの一存で、勝手に窓を撤去したり壁にしたりすることは、基本的に難しいんです。ただし実際の扱いは管理規約によって異なるため、必ずお住まいの管理規約をご確認ください。
そのため、マンションで窓の悩みを解決したい場合は、内窓の設置やガラスの交換、室内側での目隠しフィルムやカーテンなど、共用部分に手を加えない範囲での対策が現実的な選択肢になります。
管理組合によってルールも変わってきますので、まずは管理規約の確認や管理組合への相談から始めるのが安心ですよ。
マンションでの代替案
共用部分を変更できない分、マンションでは内窓の設置やガラスの交換、遮熱・防音フィルムの活用、室内側の目隠しなど、専有部分の範囲でできる対策が中心になります。
内窓は断熱性・防音性の向上にもつながるので、「窓をなくしたい」という悩みの多くを、実質的にカバーできることも多いですよ。
賃貸住宅の窓は勝手に塞げるか
賃貸住宅にお住まいの方からのご相談もときどきいただきます。結論としては、賃貸の場合、窓を含めた建物の造作を変更するには、貸主や管理会社の書面での承諾が必要です。
無断で窓を壁にしてしまうと、退去時の原状回復トラブルにつながりかねません。
国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、増築・改築・移転・改造・模様替えには貸主の書面による承諾が必要とされています(出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」)。
実際の取り扱いは締結した契約書の内容によりますので、あわせてご確認ください。
そのため賃貸では、恒久的な壁化ではなく、取り外しのできるパネルや突っ張り式の間仕切り、遮光・目隠しカーテン、内窓の設置(こちらも貸主の承諾は必要です)など、原状回復しやすい方法を検討するのが現実的です。
どうしても窓をなくしたい事情がある場合は、まず貸主に相談し、承諾が得られた範囲で対応を考えるようにしてくださいね。
補助金と税制
窓をなくす工事とあわせて断熱改修や換気設備の導入を行う場合は、国の省エネ関連の補助制度や耐震改修の補助制度などが活用できる可能性があります。
なお、長期優良住宅化リフォーム推進事業は、2026年度は実施されません。
補助制度は年度ごとに変わるため、工事時点の公式情報を確認してください。窓を壁にする工事単体が補助金の対象になるかどうかは、後ほど詳しくお伝えします。
税制面でも、省エネ改修や耐震改修など、一定の条件を満たすリフォームには所得税や固定資産税の優遇制度が用意されていることがあります。
ただし、こうした制度は年度によって内容や期間が変わりやすく、単に窓を塞ぐだけの工事では対象外になってしまうことも多いんです。
制度の詳細や最新の要件については、正確な情報は公式サイトをご確認ください。
断熱改修に使える補助制度
国は住宅の省エネ化を後押しする目的で、開口部の断熱改修を対象にした補助事業を継続的に実施しています(出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」公式サイト)。
制度の対象条件や補助額は年度ごとに変わるため、計画段階で最新情報を確認しておくのが安心ですよ。
税制優遇について
省エネ改修や耐震改修などの一定要件を満たすリフォームには、所得税や固定資産税の優遇制度が設けられていることがあります(出典:国土交通省「住宅リフォームに係る税の特例措置」)。
ただし、こちらも適用要件や期間が年度によって変わりますし、単に窓を塞ぐだけの工事では対象にならないことが多いです。
「窓をなくす工事を、断熱改修や耐震改修のパッケージの一部として位置づけられるか」という視点で、事前に確認しておくといいかなと思います。
注意
補助金や税制優遇は年度によって内容が変わりますので、工事時点の公式情報をご確認ください。
窓を壁にする工事そのものは窓リノベ補助の対象か
ここは誤解されやすいポイントなので、はっきりお伝えしておきますね。
例えば「先進的窓リノベ2026事業」の対象工種は、ガラスの交換、内窓の設置、外窓・ドアの交換であり、窓を壁にしてなくしてしまう工事そのものは、対象工種として示されていません(出典:環境省「先進的窓リノベ2026事業」対象要件、同事業「補助対象とならない工事」)。
つまり、「窓をなくす工事だから補助金が使える」という考え方は成り立ちにくく、あわせて行う別の断熱改修工事(内窓設置や外窓交換など)が対象になるかどうかを、制度の要件や契約の単位ごとに個別に確認する必要があります。
窓をなくす計画とあわせて他の窓の断熱改修も行う場合は、その部分だけ補助対象にできないか、施工会社に相談してみるといいですよ。
DIYで可能か
「業者に頼むと費用がかかるから、自分で窓を塞げないかな」と考える方もいらっしゃると思います。正直にお伝えすると、窓の本格的な壁化をDIYで行うことはおすすめしていません。
それに、先ほどお話ししたとおり、窓をなくす工事には建築基準法上の確認が必要なケースもあります。
見た目には簡単そうに見える工事でも、実は法規や構造、防水の知識が必要な、専門性の高い作業なんですよ。
DIYで軽く応急処置的に対応するのはまだしも、本格的に窓をなくしたいのであれば、やはり専門業者に相談することをおすすめします。
DIYで起こりやすいリスク
DIYでよくある失敗は、防水処理の不足による雨漏りや、断熱材の施工不良による結露・カビの発生です。
見た目はきれいに塞げていても、下地や防湿層の連続性が確保できていないと、数年後に壁の中で問題が進行してしまうことがあります。
特に外壁側まで手を入れる場合は、専門知識がないと取り返しのつかないトラブルになりかねません。
プロに任せるべき理由
窓をなくす工事は、断熱・防水・構造・法規という複数の専門分野が絡み合う工事です。
私たちのような専門業者であれば、現地調査の段階で法規上の問題がないか、構造上問題がないかを確認したうえで、適切な工法をご提案できます。
費用を抑えたい気持ちはよく分かりますが、長い目で見ると、しっかりした業者に任せた方が結果的に安心・安価になることも多いですよ。
壁化したスペースの使い方
窓をなくして壁にすると、その分家具や収納の配置の自由度が上がるのも見逃せないメリットです。
窓があった場所には家具を置きにくかったという方も多いのですが、壁になれば本棚や収納棚、テレビ台なども自由に配置できるようになります。
重量のある家具や収納を固定して設置する予定がある場合は、工事の段階で下地に補強を入れておいてもらうと、あとから壁掛け金具を使いたいときなどにも安心ですよ。

窓をなくすリフォームを成功させるコツ
最後に、窓をなくすリフォームで後悔しないためのコツをお伝えしますね。まず大事なのは、「何に困っているのか」を具体的に言葉にすることです。
視線が気になるのか、寒さなのか、掃除の手間なのか。それによって、完全に壁にするべきか、小窓化や外付け設備で十分なのかが変わってきます。
次に、成功のポイントを確認していきましょう。
トータルで住宅性能を考える視点
窓をなくす部分だけを切り取って考えるのではなく、断熱・換気・耐震といった住宅全体の性能向上の一部として位置づけると、別途行う対象工事について補助金を活用できる可能性も広がりますし、施工後の満足度も高くなりやすいです。
後悔しないためのチェックリスト
- 窓をなくす目的を明確にする
- 採光・換気・防火規定を確認する
- 将来また窓が必要にならないか検討する
- 防水・断熱の施工範囲を確認する
- 見積もりの内訳(足場・石綿調査・外壁補修など)を比較する
- マンション・賃貸は管理規約や貸主の承諾を確認する
窓のリフォームで後悔しないためのチェックポイントもあわせてご覧いただくと、工事全体の進め方をイメージしやすいかもしれません。
そして何より、窓をなくすリフォームは、法規・構造・防水の知識がそろって初めて安心して任せられる工事です。
私たちステップリフォームでも、目的のヒアリングから施工まで、法規面のご相談も含めて対応していますので、窓をなくすリフォームで迷ったら、ぜひ一度気軽にご相談ください。




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